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Black Surface

 

2025年10月25日(土)〜12月27日(土)

会場:YOD Gallery(東京・天王洲)
東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 3F

開廊時間:12:00〜19:00
閉廊日:日・月

 

YOD Gallery(東京・天王洲)では、2025年10月25日(土)より12月27日(土)まで、原口典之 個展 「Black Surface」 を開催いたします。

原口典之(1946‒2020)は、日本戦後美術において「もの派」と並置されながらも、その内部には収まりき らない独自の実践を展開した作家です。1960年代後半から国内外で活動を広げ、石や木といった自然物に 依拠する多くの同時代作家とは対照的に、鋼材、廃油、工業部品といった「産業化社会の物質」に向けて制作を続けました。これらは単なる造形素材ではなく、技術と自然、社会と身体との緊張を直接的に刻印する 「現代のマテリアル」として扱われています。1977年の《オイルプール》(鉄枠に廃油を満たし、鏡面のように反射させるインスタレーション)をドクメンタ6に出品したことを契機に、工業素材や反射する表面を用いた作品によって国際的な評価を確立しました。

本展では、作家晩年に制作されたレリーフ状の平面作品を中心に紹介いたします。ポリウレタンや木材、油彩などの素材を組み合わせたこれらの作品は、かつての大規模なインスタレーションに見られた「物質の重さ」や「反射の構造」を、より凝縮された形で内包しています。そこには、触知可能な表面と不可視の深層とが共存する、原口の最晩年における思索的な試みが示されています。

本展の会場であるYOD Gallery(東京店)が位置する天王洲エリアという都市環境も、原口の作品考察に多くの示唆を与えます。港湾や倉庫といった産業インフラの痕跡を残すこの土地は、原口が扱ってきた鉄や油、 そして反射する水面のイメージを想起させます。アートスペースへと変容したこの場所で作品を提示することは、物質と場所との関連を再考させるとともに、原口氏の残した実践の痕跡を単なる過去の運動にとどまらず、今日的な課題として位置づける契機を提供します。

本展は、原口が遺した作品を美術史的に再検討するとともに、工業化以降の社会における「物質」の在り方 を改めて考察する場を提供します。

ぜひこの機会にご高覧ください。

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