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  上須 元徳

 

「Landscape」 

会 期:2015年10月17日(土)~ 11月21日(土)
  

閉廊日:10月25日(土)~11月4日(水) 日・月曜日
  

開廊時間:12:00~19:00

このたびYOD Galleryでは、弊廊では2011年以来二度目の展示となります上須元徳 (Motonori Uwasu, b.1975)の個展「Landscape」を開催いたします。上須はこれまで、生まれ育った大阪の日常的な風景などを題材とした絵画制作に取り組んできました。今回の展覧会では、香港の風景を対象に高層マンションや川辺の景色を描いた迫力あるモノトーンの大作を展示いたします。
 

これまで上須は、現実の風景などをモチーフに緻密な描写と際立つ陰影を生かした作品を制作してきましたが、そこには独自の手法とコンセプトが使われています。上須は、風景をただ写実的に描写するのではなく、対象の要素を解体し、それをまた組み立てるかのように描きあげます。上須は選び取った風景を、自らの経験や知識をはぎ取るかのように脱構築し、自分との距離をおいたものとして新たな像を作り上げていきます。
 

余分なものを省いていく作業、時には看板や文字を削ぎ落したり、例えばストロークの跡を残さないようにすることや、細かいレベルでのトーンの統一化などが、無機的な印象を生み出すのかもしれません。しかし上須の作品は淡々とした様相を装いながらも、観者のそれぞれの記憶や経験に結びつくような任意的な多義性を備えているように見えます。それは、観者ぞれぞれの想像力を持って意味を生成することの余白が大きく残されているからなのかもしれません。今回の展覧会では、香港という異国のビルの喧騒の中に、上須が大阪との類似性を感じながら描いた迫力ある大画面に包まれると同時に、作品に対峙する者の個別の景色を浮かび上がらせる作品の力を感じられるでしょう。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

Landscape
 

 

私たちはそれぞれの知識や経験、先入観や価値観により風景を選び、あるいは見過ごします。
もちろん、私の選ぶ風景もそれらに基づいているといえます。
何かの象徴的な建築物や風景も、その歴史的背景を知らなければ何も感じず、見落としてしまうこともあります。
また、ごみのように見えるものでも、誰かにとっては大切なものなのかもしれません。
あるいはただのきれいなごみかもしれません。
そう考えると、すべては等価なものであるということもできます。
私は選んだ風景から、自身の手垢(知識や経験、先入観や価値観)を拭い去るために、風景を無数の色面に分解、解体し、
時には色彩を削除し、時間をかけ順序立てて再構築します。
そうして再度現れた風景は私から離れ、等価なものに近づくものと考えます。 

上須元徳

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