top of page
Kizugawa Indoor mini Outdoor mni.jpg

  瀧 弘子

   平成26年度咲くやこの花賞受賞記念

「赤い地質」

会 期:2015年2月9日(月)~ 2月21日(土)
  

閉廊日:2月15日(日)のみ休廊
  

開廊時間:12:00~19:00

このたび YOD Gallery では、瀧弘子(TAKI HIROKO,b.1988)の平成26年度咲くやこの花賞受賞記念展として「赤い地質」展を開催いたします。昨年4月の弊廊における初個展以来、2度目の展示となります。

瀧弘子は自分自身の姿や成り立ちを探求することを制作過程とし、そこでの発見を自らの表現の材料として作品を発表してきました。今展では瀧の作品に度々登場する「赤」を自身の肉体や内在する感覚に投影することで、その色の持つ意味を改めて模索し、発表する展示内容となっています。

 

瀧は、「赤」とは自分自身の血の色であり、肉の色でもあり、それは現在の自分の体に過去から引き継がれたものが存在する証だと言います。昨年秋の木津川アート2014で発表された作品「地をなぞる」は、一反の長く赤い布をまとい、木津川を下るパフォーマンスを収録した作品ですが、その中でも「赤」は強い存在感を示しており、川をなぞるように下って歩く姿は、まさにその「土地」を体感し、赤い肉体を通してその感触を表現する作品だったと言えるでしょう。また、同展の会期中展示会場にはこの記録映像作品だけでなく、衣装である赤い布が地面を埋め尽くす小石に埋められた状態で展示され、過去に存在した自分や、その土地に根付いた過去を掘り起こして発掘するような、その土地にまつわるおとぎ話に自分を投影させ、そこに自分をたらしめるもの、すなわち、両者のアイデンティティーを模索する制作の姿勢が見られる展示でした。
 
今展覧会では、更にその赤い肉体に迫り、写真によって瀧の体からある空間が生み出されたかのような抽象的とも言える作品「赤い地質」を発表いたします。拡大された「地肌」は、黒い背景との対比により見る側に延々と広がる宇宙空間やその中にある惑星のようなものを想像させます。この赤い肌は2012年に発表した「ベンテンヤ」で初めて用いられ、自分の血や肉体が自分と祖先をつなぐ要素として存在することを意識しており、今作品は同じ概念の中、更なる進化を遂げています。2013年の「さんずい」、2014年の「にくづき」では自分の苗字である「瀧」と言う漢字を自らの体の造形から探し出すという作品でしたが、今作品は具体的な何かを見つけるのではなく、撮影された「地肌」、すなわち「地」を通してその内側に存在する「質」を見る側の想像によって掘り起こし発見すると言った、鑑賞者に解釈をゆだねた新たな可能性をもつ作品と言えるでしょう。

また、今展では2月9日(月)から14日(土)まで瀧自身による公開制作を発表いたします。贈呈式が開催される中之島公会堂と言えば赤レンガの建築ですが、そういった観点からも今展は赤を意識した制作を考えており、更に進化した瀧弘子の世界観が詰まった今展を、ぜひこの機会にご高覧賜りますようよろしくお願い申し上げます。

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram

文章・画像等の無断転載を禁じます。
COPYRIGHT(C)2008- YOD Gallery ALL RIGHTS RESERVED

bottom of page