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関根伸夫 個展

 

“Phase of nothingness - Skin, Vol.2”

2023年9月16日(土)-10月7日(土)

開廊時間:13:00-19:00

閉廊日:日曜日

 このたびYOD Galleryでは、世界的に高い評価を受ける「もの派」の中心作家、関根伸夫(Nobuo Sekine,1942-2019)の弊廊の個展「空相ー皮膚」を開催いたします。関根のこのシリーズ作品の展覧会は、2017年に引き続き弊廊では2回目の展示となります。
 

 関根は「もの派」ムーブメントの原点として位置づけられる「位相−大地」制作以降、様々な絵画、彫刻作品を生み出し、晩年はロサンゼルスに拠点を移し精力的に制作を続けていました。関根の作品の根底には「位相幾何学の空間認識」が存在します。1978年に発表された「位相絵画」シリーズでは絵画を「厚みを持たない連続した皮膜」として捉え直し、その全てが連続する空間的なものであり、個々の絵画はその断面、すなわち一つの相に過ぎないことを提示しました。本展では「位相絵画」に続き、関根が最晩年に制作した新作「空相ー皮膚」シリーズを発表いたします。

 『「空相」というタイトルはPhaseが開かれているとの意味で、相が無限定で広く開らかれ、まったく自由で束縛がないことである。』と関根は言います。「空相ー皮膚」の制作過程は紙に水気を与えた柔軟にした上で破り、引っかき、切り貼りし、乾燥させ、その行為を金箔、黒鉛などの表面処理により正確に捉えていく初期の「位相絵画」と似ていますが、紙の代わりにキャンバスを用いることでより作家によるコントロールから離れ、作家の行為と素材の動きがより近いものになります。従って「空相ー皮膚」は空間認識を視覚から体感、そして精神的な領域にまで展開する位相絵画を更に前進させ、絵画そのものがより柔軟性と伸縮性を帯びた相となり、より開かれた領域へと鑑賞者を導くのではないでしょうか。ぜひこの機会にご高覧ください。


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