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塔本 シスコ / 野中 陽一郎 / 蛇目
 

"セルフトート・アート"の作家たち -アウトサイダー・アートの核心へ-

会 期:2010年2月13日(土)~3月20日(土)
  

閉廊日:毎週日・月曜  開廊時間:11:00~19:00

 

トークイベント
「"セルフトート・アート"に見るアウトサイダー・アートの諸問題」
  2010年2月27日(土) 15:00~16:30 YOD Galleryにて
  ゲスト:服部 正 氏(兵庫県立美術館 学芸員)

オープニング・レセプション 2010年2月13日(土) 17:00~ YOD Galleryにて
 

このたびYOD Galleryでは、3名の作家をご紹介するグループ展、「"セルフトート・アート"の作家たち -アウトサイダー・アートの核心へ-」を開催いたします。


近年、日本でも「アウトサイダー・アート」の名称が認知されてきております。美術館の企画展の開催をはじめ、専門のギャラリースペースも立ち上がるなど、社会的にも注目を集めている背景には、格差社会が顕著となっている日本の現状に対するアンチテーゼのように思えます。正規の美術教育を受けていない、つまりはアカデミズムという権威から距離を置いた環境で作品を制作することが本来のアウトサイダー・アートの基準です。しかしながら日本のアウトサイダー・アートは、主に障がいを持つ人々が作り出す作品・行為にその関心が集まっている現状があります。障がい者への社会福祉活動という観点では多大な貢献をしていますが、彼らが作り出す作品そのものに対する評価はまだ確立されていない部分もあり、現在さまざまな形でアートの枠組みへのアプローチがなされてます。


今回ご紹介する"セルフトート・アート(self-taught art)"とは、美大などでアカデミックな美術教育を受けず、自発的に独学で制作を始めた人たちの作品をさすものです。欧米ではアウトサイダー・アートのジャンルの一つとして、明確に定義されています。"セルフトート・アート"の作家の特徴は、人生の中で何らかの大きな出来事・経験をきっかけに、これまで見向きもしなかったアートの世界に関心を持ち制作を始めたことにより、アートに対する切実感が非常に強くあります。制作をし続けないと自己の存在を保てないほどの強迫観念の中で作品が生まれることにより、強固な作家と作品の間の関係性が成立し、固定概念にとらわれない斬新で生命感あふれた表現が作品上で展開されているのです。


当展は、"セルフトート・アート"をキーワードに、それに該当する3名の作家をご紹介し、改めてアウトサイダー・アートの本質を考察し、アートとしての問題点や今後の展望を見い出すものです。素朴派の代表的な作家として知られ、"セルフトート・アート"を象徴する作家、故・塔本シスコ氏の作品とともに、新進の若手作家野中陽一郎、蛇目の2名の作品をご紹介いたします。世代は大きく違うとはいえ、それぞれ独学で見出した独自の表現スタイルには、アウトサイダーの前提を忘れるほどの衝撃かつ私たちが希求するアートの進化への可能性が秘められています。


また会期中には、日本を代表するアウトサイダー・アートの研究者のお一人で知られる、兵庫県立美術館学芸員の服部正氏をお招きし、"セルフトート・アート"の視点から日本のアウトサイダー・アートの諸問題を語っていただくトークイベントも開催いたします。


近年の情報化社会によって、従来の定義通りの純粋なアウトサイダー・アートは成立しえない現在にあります。私たちは"セルフトート・アート"の存在を通じて、改めてアートの原点である作品そのものの価値を再考することが求められていると考えます。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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