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 関野 亮・ゆうこ

「filter」

会    期:2014年7月5日(土)~8月9日(土)


延   長:7月26日から2週間

閉廊日:7月31日(木)、日曜・月曜日、開廊時間:12:00~19:00

このたびYOD Galleryでは、関野亮・ゆうこ(Ryo & Yuko Sekino)による個展を開催いたします。

 関野亮とゆうこは、2012年より篠山市福住で吹きガラス工房『SORTE GLASS』を構え、ガラス作品やオブジェの制作に取り組んでいます。関野亮は1978年に大阪に生まれ、専門学校時代からガラス制作を始め、佐竹ガラスのアシスタントを経験した後、吹きガラス工房『fresco』の辻野剛氏と出会い、同氏のもと技術を磨きました。数々のワークショップ受講や海外渡航などを経て、2005年から大阪芸術大学にてガラス工芸コース非常勤副手、その後技術指導員となり、2010年より独立し本格的な作家活動を開始しました。関野亮が制作するヴェネチアン・グラスなどの近世ヨーロッパ脚付杯を思わせる『Goblet』シリーズは、各地の吹きガラス手法に挑戦し、それを用いた技のオンパレードと賞賛され、また、日本の酒器の形を模倣し、ポップで日本工芸の遊び心を取り入れた造形は斬新であると評価されています。関野ゆうこも1985年に同じく大阪に生まれ、2008年に大阪芸術大学ガラス工芸コースを卒業し、『fresco』のアシスタントを経て、アメリカに渡航しガラス制作への見識を深め、作家として活動しています。二人の工房名にある『SORTE(ソルテ)』とは、イタリア語で幸運、未来といった意味を持ちます。福が住むという町『福住』で、周りの温かい人たちと幸せな時間、未来を共有しながら、その思いを自分達のガラス作品に投影して制作しています。 

 本展における展示は二人のコラボレーションであり、作品とインスタレーションは『filter(フィルター)』というテーマで構成され、3つのカテゴリーに分類されます。1つ目は『光のフィルター』で、ガラスという光を透過することができる素材の特徴を活かし、光を捉え歪めることにより表現します。光を操る事により、暗闇を照らす光は希望を表し、水の揺らぐ光は自然から得ることが出来る原始的な意識や力を表します。2つ目は『自己のフィルター』で、その作品は鑑賞者である自分を映し出します。鑑賞者はガラスを介して鏡に映し出される自分自身の姿を見ることにより、様々な自分を過去から見つめ直すことができ、そして新たな未来を創造します。3つ目は『時間のフィルター』です。空間に吊るされた大きなガラスのロートは砂時計を暗示し、「現在」が今まさに凍りついたかのような瞬間を演出し、象徴的に時間を表現しています。かたち作られたガラスがそのフィルターに通され下に落ち、かたちを失ったガラスの破片が床いっぱいに散らばっています。また、周辺を囲む壁にかかったガラス時計は、球体ガラスによりムーブメントが覆われた構造で、ガラスのフィルターにより、こちら側の現実とその中の空間に閉じ込められた時間を全く別のものと感じさせ、鑑賞者は不思議な感覚に陥ります。ガラスという素材を巧みに操り、これら三つのフィルターを通す事ことにより、時間を止め、時空をねじ曲げ、過去から未来を映し出し、幸せを感じる意識や希望を垣間見ることができる関野亮とゆうこの作品は、二人がまさに普段の生活の中で日々感じる事が、ありのまま作品として表現されています。是非この機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。



 

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