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  岡本 梨江

「表裏の部屋」

2015年12月5日(土)~ 12月26日(土)

 

開廊時間:12:00~19:00

閉廊日:日・月曜日
  

このたび YOD Gallery では、弊廊では初めての展示となる岡本梨江(RIE OKAMOTO,b.1982)の個展、「表裏の部屋」を開催いたします。

岡本は多摩美術大学卒業後、東京芸術大学大学院油画専攻を修了し、奈良に戻ってからグラフィカルで多彩な抽象平面作品の制作を本格的に始め、2014年にはスペインのレジデンスでの滞在制作を発表し、鑑賞者の知覚や意識に揺さぶりをかけるようなインスタレーションや平面作品を制作し続けています。今展では、家をモチーフに、物事の表裏を静かに浮き上がらせるようなインスタレーション作品と平面作品を展示いたします。

 

暗い空間の中に吊るされた家の形を模した多数のアクリルフレームが、中に入り組んだり角度を変えながらゆっくりと動き、それが作り出すゆらゆらと揺れる影は、浮遊感と不確定さを見る者に印象づけます。また、カラスや暗い池のイメージが使われた平面作品は、一般的に家が象徴するような安心や温かさというものとは相反するものを感じさせます。岡本は、人が生きる上で重要な場所である家は、生と死が同居しているような場であると考えており、また外側からは分からない家の内実についても意識を向けます。こういった二面性に焦点を当て、物事の表裏をそっと浮き彫りにし、普段の感覚や意識に疑問や別の視点を促すような空間を作り上げています。作品の持つ軽さ、そして質量感のなさは、家にまつわる凡庸なイメージとは逆の、冷たさや不安定感を見る者に与えるかもしれません。しかし、暗闇の中を照らす一点の光とそれが照らし出す光景が、作品の持つ鋭い批評の視点にどこか希望を見出す意志を付与しているようにも見えます。今展は、岡本が学校で教える立場に携わってからの心境の変化を通して、これまでの作品とは少し違ったアプローチで鑑賞者を普段と違う世界に引き込むような展示となっております。ぜひこの機会にご高覧賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

表裏の部屋
 

 

私にとって「家」は極めて日常的で、多くの人にとっても生きていく限り、それは切っても切り離せない場所である。
「家」は 相反する様々な事柄を内包しているように思う。例えば「安心」と「不安」、「希望」と「絶望」、「生」と「死」など、真逆の事が同居しているのではないだろうか。
表にはいつも裏側が存在していて常に一体なのだから、それは怖いものではない。
裏がなければ表は存在しないのである。 

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