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  町田夏生

《乙女》の衝動

2008年3月4日(火)ー 2008年3月22日(土)

YOD Gallery3月の企画展は、1980年生まれの新進作家、町田夏生(まちだ なつき)の個展を開催いたします。

彼女の制作の根底には《乙女》のフレーズが存在します。他者に対する憧れや愛情、愛するものへの感情は、「結ばれる」ことによってひとつの完結形を迎えます。しかし、その「結ばれる」という意味はいったい何なのか。その葛藤に揺れ動き、自らの存在意義に悩む女性《乙女》が、彼女の作品の中で様々な感情と共に変容する女性像として存在します。人は他者と出会った最初の瞬間、自らの心の中にその他者への感情が詰まった種が落とされます。その後重ねられた交流やまた別の人との出会い、更に一人で思索する感情が種への肥やしとなって、華やかな色彩を持つ花弁を眼と身体からほとばしるように咲かせます。それらの数多く描かれる花弁は、あるときは対象への盲目的な愛情表現として、またあるときは出会いと別れを経験し「大人の女性」として心身とも成長した現われとして、彼女の作品の象徴的なモチーフになっています。

作品の色彩は桃色をベースに明るく鮮やかに描かれていますが、アクリル絵具のマチエールの持つ柔らかさによって感情の強弱はフラットにされ、人間個人の感情・主張のはかなさも感じさせてくれます。描かれる豊満な多花弁の花々は、女性の感情の限りなく最大限の感情表現であり、幻想的ではありますが他者への積極的なコミュニケーションとして彼女の作品に表現されています。

当展ではアクリル画の平面作品から立体の人形まで、インスタレーションの要素も交えて展示いたします。悩み苦しむ《乙女》の衝動を空間全体で是非体感していただきたく思います。この機会にぜひ、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。

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