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  はまぐちさくらこ

「STORY」

2008年6月18日(水)ー 2008年7月5日(土)

イベント 「はまぐちさくらこ ライブペインティング」
  日時:6月21日(土)15:00~、24日(火)15:00~、28日(土)16:00~、7月1日(火)15:00~、5日(土)15:00~
  ※ 所要時間約1時間。都合により日程および時間の延長など変更の場合がございます。ご了承ください。

外壁に大きなパネルを設置し、作家在廊日ごとに作家自らの手で描き、作品を仕上げていきます。会期初日からスタートし、7月5日の会期最終日に一つの作品を完成させます。(制作過程は随時HPに公開予定)

近年の日本の現代美術界は、次世代を形成すべき1980年代生まれの作家の台頭が目覚しく、その才能を如何なく発揮していいます。その世代の代表的な作家の一人、はまぐちさくらこの個展を開催いたします。彼女は子供のお絵描きを思わせる純粋無垢な画風と独特のセンスで、GEISAI 5 金賞(2004年)、みづゑ絵本大賞・みづゑ大賞(2005年)を受賞するなど、その評価は日増しに高まり、次世代の日本の現代美術を担う作家といっても過言ではありません。


直感的な色使いと独特のモチーフで構成される彼女の絵画作品は、「絵」と呼ばれるものを描き始める幼年期の体験を喚起させる、いわば画家の原点を象徴するものとして評価されてきました。またアクリル絵具でキャンバスや紙に描かれるモチーフには、人物とさまざまな生き物が触れ合うものが多く見られます。この情熱的な筆のタッチと原色をふんだんに使った色使いに彼女の想像力豊かな世界観が加わることにより、独特の親近感溢れる世界を生み出しています。


当展では、精力的に個展を開催している彼女の従来のお祭り的インスタレーションスタイルではなく、新たな展示スタイルで作品をご紹介いたします。絵画作品は全て20号以上のキャンバスによる大作で構成し、作品各々に彼女の独自性のある物語を設定し、視覚的なものとしての絵画に加えてその中に込められた物語を文字として空間に散りばめ、双方をじっくりとご鑑賞いただける空間構成にて展示いたします。また会期中には、弊廊の外壁にて随時ライブペインティングも開催いたします。


これまでの彼女の評価は、独特の色使いと筆致、そして作品群をカオス的に空間に埋め尽くす手法など視覚的なものに偏っているように思えます。しかし彼女の作品が持つ本来の特徴は、描きこまれたモチーフたちが織り成す独特の物語性にあります。みづゑ絵本大賞で定評のある彼女が紡ぐ散文詩的な文字による物語では、そこに登場する人物と不思議な生きものが現実と空想の境界のない世界で戯れています。一見つながりのないように見える対象間の関係は、実は全てが蜘蛛の巣のように連鎖しており、それらは彼女の絵画の中にも現れています。記号のように散りばめられた大小の登場人物または生きものは、豊かな色彩と強弱ある線の重なりによって包み込むように形づくられ、無関係のように見える個々の対象が、ゆるやかながら強固な絆を持って結びついて一つのハーモニーを奏でています。それぞれは断片でもあり集合体でもあることに、当展で気づいていただけることでしょう。一つ一つの絵画作品とそこに込められた物語を共にじっくり味わいながら、人類の持つ根源的なダイナミズムを感じさせてくれる、はまぐちさくらこの世界をぜひお楽しみください。

 

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