上須 元徳
大阪芸術大学で絵画を専攻した上須は、一貫して現実の風景を題材としたリアリズム絵画に取り組んできた。実際にある町並みや建造物を中心に描いてきた作品は、通常のリアリズム絵画とは異なった手法とコンセプトで表現されている。上須は、風景を単に写実的に描くのではなく、題材の細部を統合し、単一の色面に置き換えることを一貫して行ってきた。私たちが眼にしている世界は、「実存する物体の細密なかたちが本質である」という一般的な理解の上に成り立っていますが、現実世界の見え方は人によって異なる。色彩やかたちの知覚の差異から、細部の認識の強弱など、視覚も他の感覚と同じく千差万別なもである。彼はそこに着目し、視覚の普遍的な部分を抽出し、そこから現れてくる違和感を、色面で構築された風景画の中であぶりだしているのだ。
近年は、幼少期、もしくはネット上で見たことのあるようなぼんやりとした風景をモチーフに、不自然な輪郭と不正確な奥行きを持つ絵画を制作している。どこか懐かしさを感じさせるが、どこにも存在しないようにも感じる風景画は、新鮮な感覚を与えてくれる。
CV
1975 大阪府生まれ
1999 大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業
【個展】
2021 Landscape / GALLERY wks.,大阪
2019 HOUSE / GALLERY wks.,大阪
2015 Landscape / YOD gallery,大阪
2011 RE:Assemble / YOD gallery,大阪
2009 Portrait in Landscape / GALLERY wks.,大阪
2007 monochronicle / space gallery roundish,大阪
2006 monochronicle / GALLERY wks.,大阪
【グループ展】
2018 FLOATING BEAUTY ー変貌する部屋のためにー / DELL'ARTE art gallery , Cassina ixc. 青山 , 東京
RUDE ASSEMBLY Part 2 / Campbell Project Space , シドニー,オーストラリア
2014 silentscape / GALLERY wks.,大阪
2012 Photography by a paintbrush / State-Of-The-Arts-Gallery,香港
2010 OSAKA ART NOW / ヒルサイドテラス,東京
2009 gallerism / 大阪府立現代美術センター,大阪
ART SPACE ZERO-ONE オープニング展 / ART SPACE ZERO-ONE,大阪
2007 YOUNG JAPANESE LANDSCAPE / Museum of Young Art,ウィーン,オーストリア
2006 Tank of Mind / GALLERY wks.,大阪