村田 彩 Aya Murata
個展「4seasons 」
2024年11月9日(土) - 11月30日(土)
開廊時間:13:00-19:00
閉廊日:日曜日
この度YOD Galleryでは、村田彩 (Aya Murata, b.1979)による弊廊では2度目となる個展『4 seasons』を開催します。
村田彩が「生命力」をテーマに制作する練り込みの技法の歴史は、1400年前にまで遡ります。陶土の色を調合し、規則的な模様ができるように繋ぎ合わせていく技法です。
断面に模様が現れるように、一つずつ切り離し花びらにしていくことで立ち現れるその模様には精巧さと揺らぎを併せ持ち、自然的に発生される模様にどこか生命力を感じさせます。ここで重要なのは、その模様が表面的な装飾ではなく、素材そのものに宿るということです。陶土の色を1つずつ調合し、規則的な模様ができるように繋ぎ合わせていくその技法は、生命の本質がただの外観や装飾ではなく、内側から湧き出る力であるという象徴とも捉えられます。
昆虫が進化の過程で、その生命を維持するために発現させたその模様は、時にその役割を超えて人々を魅了し、ファッションやテキスタイルの文脈でも人気のモチーフである他、文化的な象徴として用いられてきました。本展では「イモムシの夢」等、昆虫に発送を得た作品が並びます。己を着飾るのではなく生きるために編み出された模様は、まさに作家の美しさの根源である、「内なる生命力」を表象してると言えるでしょう。生き生きと花開く花弁の一枚一枚や、触手のように伸びる線は、まるで生きているかのように私たちに訴えかけます。この躍動的な要素は、さまざまな色の土を練り込み、ゆっくりとその形を形成していくように、生命が常に変化し、環境に適応しながら成長していく過程を反映しています。
現代ではSNSやメディアの発展に伴い、視覚的な美しさばかりが強調されます。作品が持つ内なる力に触れることで、自身の中にある本質的な魅力を知覚する瞬間が鑑賞者に生まれることを期待します。
11 月 9 日(土)、11 月 16 日(土)は作家本人が在廊いたします。ぜひこの機会にご高覧ください。